2015年7月13日月曜日

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集団的自衛権なぜ合憲? 若者も懸念 無関心ではいられない 
2015年7月7日 東京新聞朝刊

 安全保障関連法案をめぐり、六日に那覇市とさいたま市で開かれた衆院特別委員会には、市民も傍聴に集まった。参考人の質疑を聞いた人や、会場近くで抗議行動に参加した人からは、法案への反対や懸念の声が相次いだ。 

 那覇市の会場では、国際基督教大の元山仁士郎(じんしろう)さん(23)が、国会議員と参考人のやりとりを見守った。故郷の沖縄がどうなるかが気になり、帰省して傍聴したが、「ふわっとした議論に終始していた」と不満を感じた。

 実家は米軍普天間飛行場を抱える宜野湾(ぎのわん)市。基地は「うるさいけど仕方ないもの」と思っていた。高校卒業後に上京し、騒音のない環境で暮らしてみて、異常さに気付いた。大学生のグループ「SEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動、シールズ)」に参加し、基地の固定化につながる安保法案に反対している。

 この日の質疑を聞き終え、「議論を聞けば聞くほど、今の個別的自衛権で十分対応できるという思いを強くした。自衛隊が世界中に出掛けると、敵を増やすだけではないか」と語った。

 琉球大の加治木理允(まさみつ)さん(21)は「結構、面白かった」という。安保法制や基地問題などの活動にかかわったことはないが「無関心ではいられない、と思って来た」。

 法案の理由にされる国際関係の緊張の高まりが、本当に軍事力の増強を必要とするレベルなのか、疑問を持っていた。議論を聞いて「法案を通す前に、外交などで解決できるステップがまだまだあると確信できた」と語った。

 「与党議員と参考人の質疑を聞いていても、集団的自衛権を『合憲』とする根拠はやっぱり分からなかった」。さいたま市で傍聴したSEALDsのメンバー、明治学院大の奥田愛基(あき)さん(23)は首をかしげた。

 集団的自衛権が「違憲」かどうかという本質的な議論に加え、国連平和維持活動(PKO)の拡大や自衛隊員のリスク、米国との協調による「抑止力」がなぜ必要かなど、考えるべき論点が多すぎると思う。「十本の法案を一つにしているから複雑で、今日もかみ合っていない質疑が結構あった」と振り返る。

 国会の審議は、インターネットでしか見たことがなかった。この日の傍聴席は各党の応援団のような人たちが多く、「せっかく地方で開かれたのだから、もっと一般の人たちに開放して法案への理解を求めればいいのに」とも話した。 (安藤恭子、柏崎智子)

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