2014年12月8日月曜日

安倍晋三の祖父岸信介とアメリカへの戦争開始

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安倍政権の発足

イグナシオ・ラモネ(Ignacio Ramonet)
ル・モンド・ディプロマティーク編集総長  

訳・阿部幸

 10月9日に北朝鮮が行った核実験は、北東アジアを激しく揺さぶった。しかしその数日前、9月26日に安倍晋三が日本の新たな首相に就任したことも、それに劣らぬ大きな衝撃であった。

 安倍氏は小泉純一郎前首相と同様、自民党に所属している。1955年以来、日本の政治において支配的な地位を占めてきた党だ。52歳の安倍氏は1945 年以降で最も若い首相だが、日本の左派からはウルトラリベラル、超保守主義者、ナショナリストとみられ、地域諸国には「タカ派」と警戒する向きもある。

 元外相を父に持つ安倍氏は、きなくさい過去を持つ右派の政治家一族の一員であり(1)、 その過去と距離を置こうとはしていない。

 彼の祖父・岸信介は、真珠湾攻撃を仕掛けた東條陸軍大将の戦時内閣で閣僚を務めた人物で、
1945年に戦犯容疑者として逮捕されたが、
東京軍事裁判
(日本の主要な戦犯に対する裁判、ナチス幹部にとってのニュルンベルク裁判に相当)
では最終的に不起訴となった。
冷戦開始後、アメリカが日本の右派を再建しようとしたためである。
はその一人であった。

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 安倍首相の祖父、岸信介は東條内閣で商工大臣で、東條内閣は真珠湾攻撃を閣議決定して、その結果は原爆投下の引き金となり、日本を滅ぼしています。


中国・人民日報が米国に<警告>・・・「日本を縄から解き放つと、再び真珠湾を攻撃するかも」 
2014年4月15日
(軍事面などで日本を野放しにすれば、1941年12月7日と同様に、日本が再びアメリカの真珠湾を攻撃するかもしれないと主張した。
 「日本は1941年12月7日に真珠湾を攻撃し、3000人以上の米国軍人を死亡させた。 

これはほぼ、2001年にアルカイーダが米国本土を攻撃した試験上演だった」
と主張。
その後の太平洋戦争について、
日本に対する「一連の血みどろの戦いを発動した」、
「タラワ島上陸では海軍陸戦隊に5000人の損害が出た」、
「1945年6月の沖縄戦役では、陸軍に7374人の損害が出た……」などと論じた。 ) 

 安倍氏については、
真珠湾攻撃をおこなった東条英機内閣で商工大臣を務め、A級戦犯容疑者として逮捕された岸信介の孫」
と紹介し、 
「プリンス」「タカ 派」という単語とともにその経歴を紹介した。
原発問題に関しては、「福島は忘れられた」として
「土曜の夜(衆院選前夜)まで日本は脱原発の準備があった。
日曜からは停止中48機の原発が再稼働へ進む」と伝えた。
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岸は、1948年に釈放され、1957年と58年に2回、首相に指名された。
米国との新安全保障条約への調印を行っている。 

 安倍氏の遠縁にあたる松岡洋右は、外相として、日本のアジア拡張路線を支持した人物である。
彼によって日本は1940年に枢軸国の一員となり、
ヒット ラー率いるドイツとムッソリーニ率いるイタリアと同盟を結んだ。
彼もまた戦争犯罪に問われたが、判決の下る前に獄中で死亡した。 

 戦争犯罪に関して公式に謝罪をしていない国にあって、安倍晋三はこのような一族の過去を否認したことはない。
反対に、「自虐」史観の持ち主を指弾することによって日本の責任を矮小化している。
 安倍氏は小泉氏と同様、「日本のために命を捧げた」軍人を祀る靖国神社に定期的に参拝している。
その中には14人 のA級戦犯(松岡洋右も名を連ねる)も含まれる。
小泉前首相の場合は、靖国参拝によって「歴史修正主義」「日本の軍事的な過去を賛美している」との非難を 呼び、訪中、訪韓を拒絶された。

 自民党の中でも最も右の派閥に属する安倍氏は、金日成時代の北朝鮮工作員による拉致事件の生存者の行方を追及することによって、政治家としての地位を確立した。
 北朝鮮に対するより強硬な姿勢とさらなる制裁措置が必要であると声を上げたが、そこに大衆扇動的な面がなかったわけではない。
 蔑視的な反朝感情に訴え、多くのメディアがそれに追随した。このようにして安倍氏は支持を得た。
7月5日の北朝鮮による弾道ミサイル試射後、安倍氏は新たな制裁を要求し、9 月19日にこれを認めさせた(2)
 そして、「北朝鮮の脅威」を理由に、国民投票によって平和主義憲法の第9条を改正したいとの意向を明らかにした。
1945年に戦勝国によって課せられた制約を外して自衛隊を真の軍隊にするためである(3)
中国を封じ込める強力な軍事同盟国が北東アジアに出現することを望むブッシュ大統領の周辺も、そうした意向を支持する姿勢を示している。 

 以上の状況から日本の再軍備が懸念される。
すでに米国に次ぐ世界第二位の軍事予算を持つ日本が、世界の危険地域のひとつで開始された軍備競争を加熱させるおそれがある。
安倍氏は10月10日、米国の核の傘に守られている日本が核保有に乗り出そうというわけではないと、国民の過半数の反対があるなかで明言せざるを得なかった(4)
実際には日本は民間の原子炉で生成されたプルトニウムを少なくとも43.8トン保有しており、
数カ月で核爆弾を製造することができるのだ。 

 安倍氏がソウルに到着した10月9日に北朝鮮が非難されるべき核実験を行ったのは、彼らが日本の新首相をどれほど危険視しているかを知らせるために違いない。
この無責任な警告は、全世界に不安を持って受けとめられた。
と同時に、この事件は、安倍氏がそのナショナリズム路線を変更しない限り(考えにくいことではある)、
北東アジアの緊張はほとんど解消されないだろうことを物語っている。

(1) See Philippe Pons, << Shinzo Abe, "prince" de la droite >>, Le Monde, 21 September 2006.
(2) イグナシオ・ラモネ「朝鮮半島の緊張」(ル・モンド・ディプロマティーク2006年10月号)参照。
(3) See Ichiyo Muto, << Revise the peace constitution, restore glory to empire ! >>, Japonesia Review, No.1, 2006, Tokyo. January 2006.  
(4) El Pais, Madrid, 11 October 2006.

(ル・モンド・ディプロマティーク日本語・電子版2006年11月号)



昭和天皇が嫌っていた松岡洋右と安倍晋三は親戚だった!そして岸信介がA級戦犯不起訴になった本当の理由。

 ある方からの情報でゲンダイネットで安部氏と、富田メモで書かれ松岡外相が、縁戚関係にあると聞き、さっそく調べてみた。

「系図でみる近現代 第七回」にある系図を見ると、確かに松岡洋右と安倍晋三が縁戚関係にあることが一目でわかる。

松岡洋右の妹、藤枝の夫が佐藤松介(岸信介・佐藤栄作兄弟の叔父)で、その娘が佐藤栄作夫人・寛子だそうだ。

富田メモによると、昭和天皇が「松岡までもが」と忌み嫌っていた人物の親戚である安倍が総理になることは、お亡くなりになった昭和天皇の本望ではないだろう。

そんなことを調べていると、安倍晋三の祖父である岸信介は七三一部隊と親密な関係にあることがわかった。

ナ ナナナナント!ちょうど岸信介が満州国国務院実業部総務司長に就任した1936年(昭和11年)に、

軍馬や家畜に対する細菌兵器の開発を担当しており、人体 実験も行っていた「軍獣防疫廠」が満州に設立されたのであった。1941年には、「満州第100部隊」と改称されたそうだ。

おとといの記事でも触れた「日本軍による人体実験」より

七 三一部隊は4つの支部以外に、大連にあった南満州鉄道の研究所も傘下に収めて支部とし、さらに平房の約260km北の安達には細菌兵器の実験場を持ってい ました。また関東軍は防疫給水部とは別に、新京(現在の長春)に「軍獣防疫廠」(1936年設立。1941年に「満州第一〇〇部隊」と改称)を持っていま した。ここは軍馬や家畜に対する細菌兵器の開発を担当しており、人体実験も行っていました。

つまり、満州での人体実験や細菌兵器の開発は当時の総務司長であった岸信介の許可なしには行われなかったのであり、七三一部隊を率いていた石井四郎の背後で岸信介が実権を握っていた感がある。

実は、岸信介がなぜA級戦犯として投獄されていながら、不起訴となったのか理由を書いたものは一つも見当たらなかった。

ウィキペディアの「岸信介」でも
「戦後の日本を「共産主義に対する防波堤」と位置づけ、旧体制側の人物を復権させたため岸は戦犯不起訴となり、東条ら7名の処刑の翌日に釈放された。」
と書かれているが、
処刑された東条英機は旧体制側の人物ではなかったのか?

TBS が、21日の「イブニングニュース」で放送した旧日本軍731部隊の特集の冒頭部分に安倍晋三の写真が映って激怒した理由はここにあるのではないか?

つま り、岸信介こそがアメリカに日本軍の人体実験および生体解剖によるデータを売り渡した張本人だったということだ。
だから、売国奴、岸信介は不起訴となった のでは?
この件に関するウェブサイトなどは一切削除されていて、情報は全くといっていいほどないので、
これはあくまでも私の推測であることを前もって言っ ておく。

これらのことから、富田メモもTBSの「イブニングニュース」も本人が言っているように、安倍にとっては政治生命を脅かされかね ない報道だったということがわかる。

だから、突然靖国参拝しない発言をしたり、
ほんの数秒間旧日本軍731部隊の特集に安倍の写真が映っただけで異常反応 したのだ。
これまで、これらのニュースは小泉・安倍政権に同情を買い、有利になるものとされていたが、そうではない。

反安倍体制がついに動き出したのだ。

そして、これに無駄な抵抗をする無教養まるだしのネットウヨたち。
彼らのあまりにも根拠のない、美化された歴史しか知らない無知からくる反論には思わず笑ってしまうのは、私だけだろうか?


米機密文書公開に見る731部隊の実体

旧日本軍「細菌戦研究」 米が機密文書公開

 米国立公文書館(メリーランド州)は、旧日本軍が当時の満州(現中国東北部)で行った細菌戦研究などに関する米情報機関の対日機密文書10万ページ分を公開した。

■石井中将 尋問記録も

 文書目録によれば、石井四郎軍医中将を含む731部隊(関東軍防疫給水部)関係者の個別尋問記録が、今回の公開分に含まれている。

また、細菌戦研究の成果を米軍に引き渡したとされる石井中将が、米側に提出する文書を1947年(昭和22年)6月ごろ執筆していたことを裏付ける最高機密文書も今回明らかに なった。(ワシントン 山本秀也)

■戦争犯罪を立証

 今月12日に公開された機密文書は、ナチス・ドイツと日本の「戦争犯罪」を調査するため、クリントン政権当時の99年に米政府の関係機関で構成された記録作業部会(IWG)が、米中央情報局(CIA)や前身の戦略情報局(OSS)、日本を占領した連合国軍総司令部(GHQ)などの情報文書を分析し、機密解除分をまとめて公開した。

 IWGの座長を務めるアレン・ウェインステイン氏は、「新たな資料は学者らが日本の戦時行動を理解する上で光を当てる」と意義を強調するが、作業は「日本の戦争犯罪」を立証する視点で行われた。

日本語資料の翻訳と分析には中国系の専門家も加わっている。

 細菌戦などに関する米側の情報文書は、これまでも研究者が個別に開示請求してきたものの、一度にこれだけ大量に公開された例は少ない。

 情報の一部は34年(昭和9年)にまでさかのぼるが、終戦の45年(同20年)前後4年分が大半を占めている。

 文書内容の大半は731部隊など細菌戦研究に関する内容だ。公開文書の概要によれば、37年12月の南京事件に関する文書が一部含まれる。

IWGでは「慰安婦問題」を裏付ける文書も探したが、
「目的を達せず、引き続き新たな文書の解析を図る」
と述べるなど、調査では証拠が見つからなかったことは認めている

■日本の使用警戒

 細菌戦の研究競争が大戦下で進む中、

米側は日本の細菌兵器使用を終戦まで警戒していたほか、
奉天(現瀋陽)の収容施設で、連合軍の捕虜に細菌実験が行わ れた形跡がないかを戦後調べたことが判明した。
同じく米本土に対しても、日本からの風船爆弾が細菌戦に使われないか、
米海軍研究所が回収した現物を大戦末期に調べ、
「細菌の散布装置がついていないことから、当面は細菌戦を想定していない」
と結論づけた文書も公開された。

 細菌戦に関する米国の日本に対する関心は、

44年ごろから終戦までは、
細菌兵器の開発状況と731部隊の活動実態の解明に重点が置かれ、
終戦から47年ごろまでは、
同部隊関係者への尋問による研究成果の獲得へと、重点が移っている。

 米側が最も強い関心を抱いたのは、

731部隊を指揮した石井中将だった。
45年12月の情報報告には、
千葉県の郷里で中将が死亡したことを装った偽の葬 式が行われたことも記されているが、
翌46年から47年には中将に関する報告や繰り返し行われた尋問の調書が残されている。

■保身引き換えに

 石井中将は自らと部下の保身と引き換えに、細菌戦研究の成果を米側に引き渡したとされてきたが、

47年6月20日付の米軍最高機密文書は、こうした説に沿う内容を含んでいる。

 「細菌兵器計画の主要人物である石井中将は、問題全体にかかわる協約を現在執筆中だ。

文書には細菌兵器の戦略、戦術的な使用に関する彼の着想が含まれる。
石井中将の約20年にわたる細菌兵器研究の骨格が示される見通しであり、7月15日には完成する」

 同じ文書には、

「日本南部の山中」に隠されていた
「細菌に侵された200人以上から採取された病理学上の標本スライド約8000枚」が、
47年8月末までに米側に提供されることも付記されていた。

 米側では日本からの情報収集を急ぐ一方、

冷戦でライバル関係となる旧ソ連に細菌戦に関する情報が渡ることを強く警戒していた。
ハバロフスク裁判のため、 旧ソ連が請求してきた細菌戦関連の証拠引き渡しを渋る一方、
約30人の731部隊関係者が「モスクワ近郊で細菌兵器の研究プロジェクトに従事している」とする48年4月の情報報告も今回明らかにされた。

Sankeiweb (2007/01/18 10:26)


では、森村誠一氏による「悪魔の飽食」に描かれたような人体実験はなかったといってよいのだろうか。


当時、ソ連、蒋介石率いる国民党軍が細菌戦を実行したという。

731部隊「関東軍防疫給水部」について

防疫給水について大活躍し恩恵を受けた。

砂質広漠地故、水に乏しく、ハルハ河は敵の火制下で利用困難、唯一の水源であるホルステン河
(水流部3~5メート ル、水は濁っているが水源が泉故、枯渇することはない)
工兵橋に大型濾水機を設置して、全第一線部隊の給水源としての大役を担当した。
この濾水機は細菌の みならずリケッチャまでも排除できた。
「ノモンハン事件」の間に一度「ハルハ河で腸チブス菌が検出された。

ソ連が上流で投下した疑が在るので、防疫給水部の水以外を飲用しないように」との注意があった。
 
ハルピン郊外に駐屯して防疫給水と伝染病の研究をしている旨の文書をみたことがある。

元来防疫給水を任務とする部隊であるが、細菌戦の攻防にまで研究範囲が拡大していくのは、各国共通の成り行きであろう。

細菌戦の恐ろしいのは、フラスコ一本であっても、大きな効果を収めることが可能であり、隠密裏に使用しやすく、一般の伝染病と判別困難なことである。
しかしながらノモンハンには住民もおらず、地勢・気候も不適で彼我ともに、細菌を使用していないことを断言できる。

事務局長阿部武彦
『ノモンハン戦場日記』ノモンハン会

[ 正しい歴史認識、国益重視の外交、核武装の実現 ]

[ 731部隊の人体実験・細菌戦は嘘(全て作り話)10・飛行機細菌作戦の怪5・「関東軍防疫給水部」の任務と活動状況・『ノモンハン戦場日記』・『ノモンハン事件の真相と戦果 ソ連軍撃破の記録』]
より引用させて頂きました。

 
上記からすれば、部隊の任務が前線の防疫維持部隊としての役割を担う事だったというのは容易に頷ける。


また、当時においても、英のポートン細菌研究所は、常徳のペスト流行について1941年11月4日の日本軍機による細菌散布により発生したとの支那側の発表を否定している。


ただ、731部隊において、いま問題にしているのは人体実験を行ったか、ということなので、それに関する明確な言及がなかったことが残念だが、逆にそれが不在証明となるだろうか。


人の記憶は曖昧である。
容易に歪曲され、また、後からすり込むこともできる。
その意味で、現在に生きる証言者の言葉を信じられないワタシは、当時に残された記録の発掘に真実を求めるより無い。
と思っている。
ゆえに、対日機密文書10万ページの解析が速やかに公正になさ れることを願うものである。

『ノモンハン戦場日記』
昭和14年(1939)5~9月にノモンハンで勃発した日ソの大規模な国境紛争を再現する。

激闘の合間、砲弾の下、僅かな時間に将兵たちが綴った日記原 文。
単なる戦闘記録ではない、兵士たちの戦場心理と極限状態の記録。
戦場を体験していない世代に是非とも伝えたい、真の戦場の姿。

アメリカで失墜する、安倍首相の評判 

波紋を呼んだ、安倍首相の写真

 5月13日、ワシントンDCのアジア専門家コミュニティーでは、多くの専門家たちが、安倍首相が試乗した航空自衛隊のT4練習機に「731」という機体番号がくっきりと記されている写真を見て衝撃を受けた。

 731という数字は、日中戦争や第二次世界大戦中に満州のハルビンを拠点に活動していた関東軍の「731部隊」について、苦い記憶を中国と韓国に呼び起こすものだ。
この部隊は、生物・化学戦争を想定したおぞましい人体実験を、主に中国人とロシア人を対象に実施していた。
 
安倍首相のこの写真は東アジアの国々、とりわけ韓国の新聞の第一面に大々的に掲載され、それはすぐに米国の首都ワシントンにも広まった。

米国では、 この事態を深刻に受け止めたアナリストたちが、「安倍首相は日本国内の極右的な心情に訴えるために、意図的にこのイベントを仕立てたのではないか」と議論 した。

やがて安倍氏の側近の一人、谷口智彦氏が、フェイスブックの英語版に投稿することにより、この議論を鎮めようとした。
谷口氏は、この写真は宮城県東 松島市にある航空自衛隊の基地で撮影されたもので、2011年の大津波で退避していた重要な飛行隊、ブルーインパルスが帰還したのを祝うための訪問だった と説明した。

しかしこの説明の後も、米国の日本専門家トップの一人は、非公式ながら、安倍氏は写真撮影用に意図的にこの特定の機体を選んだのだ、と主張し続けた。

ワシントンであまりにも多くのアジア専門家たちが、当初本気で、こんなありそうもない話を信じそうになったという事実自体が、米国の外交政策関係者たちの間で安倍氏の評判がどれほど失墜しているかを示している。



 いわゆる「従軍慰安婦が存在したか否か」、「731部隊の戦争犯罪は本当に行われたか」あるいは「南京虐殺は本当に行われたか」などという件について、産経 新聞系の右派メディアや「日本会議」系の政治家、それにいわゆる「ネット右翼」(ネットウヨ)などは否定に躍起になる。

これらについては、証言者がたくさんいて、報道もされているし、それをまとめた本もある。

今年1月4日のエントリ 『年末年始に読んだ本(1) 加藤紘一「テロルの真犯人」』 でも紹介したが、自民党の加藤紘一代議士の著書 「テロルの真犯人」 にも、加藤氏が復員兵士から聞いた戦争体験談が紹介されている。


 慰安婦を買ったときの話も聞かされた。慰安所で順番を待っているときの、
「おい、早くしろよ」
「もうちょっと待て」
 といった会話や、
「相手はたいていが朝鮮人だから、言葉は通じないし味気ないもんだった」
 といったことなどを、そばに小学生の私がいるのも構わず、皆、ごく平然と話していた。
 そうした話を聞いていたからこそ、後に「従軍慰安婦などいなかった」と主張する保守陣営の人に対し、堂々と反論することができた。
(加藤紘一 『テロルの真犯人』 70?71ページ)


4月10日のエントリ 『731部隊元隊員の壮絶な証言 「子持ちの慰安婦を生体解剖したこともあった」』 で紹介した、読売新聞の中部版および大阪本社版に載った、731部隊元隊員・大川福松氏(88)の証言は、別に私が紹介しなくてもいずれネットでも広まっ た話だと思うが、たまたま早い段階で 『kojitakenの日記』 で紹介し、しかも読売新聞の紙面とネット版で一部内容が違ったことを指摘したこともあって、ネット上で議論を呼ぶことになった。ページビュー227万件を 誇る木走正水さんの 「木走日記」 にも取り上げられており、今後ますます議論を呼ぶことになると思う。

ネットウヨは、この件に関しても否定に躍起であり、特に大川氏が早稲田大学で細菌学を学ぶことが可能であったかについて疑義が呈されている。以下、前述の「木走日記」から引用する。


  さて、この大川さんの発言ですが、読売記事によれば、「大川さんは早稲田大で細菌学を学び、1941年に召集。44年8月から旧満州(現中国東北部)に あった関東軍防疫給水部本部(通称731部隊)の「ロ号棟」で、衛生伍長をしていた」そうでありますが、現在に至るまで医学・生物学系の学部・学科を持た ない早稲田大学に、41年当時細菌学を学ぶ環境があったのか、少し釈然としません、可能性としては教育学部あたりかな・・・

 早稲田と言えば、隣接する戸塚に戦前・戦時中には旧陸軍軍医学校がありまして、その関連で早稲田大学でも細菌学を学ぶ環境があったのかも知れませんが、ちょっとネットでは確認できませんでした。

 で、傍証にすぎませんが、13年前にこの旧陸軍軍医学校跡地を建設工事中に、地中から100体ほどの人骨が出てきて騒がれたことを思い出しました。

 当時の厚生労働省の調査報告書によれば、これらの人骨は、「中国兵戦屍体」「馬賊」「日本兵戦死体」「731部隊から資料として送られたもの」等の発言を得ています。

http://www.geocities.jp/technopolis_9073/zinkotuhp/koseireport.htm

(中略)

 旧日本陸軍731部隊の衛生兵だった人が「子持ちの慰安婦を解剖したこと」を告発し、しかも戦後は「国から口止めされていたから」と沈黙を続けていたことが、本当だとすれば、これはまたやっかいな論争に発展するのかも知れません。

(「木走日記」の記事 『波紋呼びそうな読売新聞記事731部隊元隊員証言』 より)


ここで言及されている、戸山で人骨が発見された件に関しては、昨年、さらに多数の人骨が埋められている可能性が指摘され、国会でも質疑がなされ、新聞でも報道された。

当ブログにも、「わんばらんす」 の管理人・ココロさんと 「Hagalazの日記」 の管理人・Hagalazさんからそれぞれ情報をいただき、それを 「kojiatakenの日記」に掲載した。下記にURLを示すので、関心のおありの方はご参照いただきたい。


『「さらに多数の人骨埋設か 新宿の旧陸軍軍医学校跡」(昨年6月の朝日新聞記事)』
http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20070414/1176506395

『「人骨(ほね)は告発する」』
http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20070414/1176506847


さて、大川さんの証言の信憑性については、今後ジャーナリストなどによる検証を期待したいと思うが、見過ごせないのは、デマまでばらまいて証言を否定しようとする一部ネットウヨの卑劣な動きだ。

これも、「kojitakenの日記」に書いたのだが、「博士の独り言」という、人気のあるらしい右翼ブログが、読売新聞の記事に人名の誤記があったといわんばかりのヨタ記事を書いている。下記の「kojitakenの日記」をご参照いただきたい。


『虚偽に基づいて読売新聞を誹謗中傷する悪質ブログ 「博士の独り言」』
http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20070414/1176503828


改 めて書くのも馬鹿馬鹿しい話だが、読売新聞の記事を転載した「朝鮮日報」の記事に、固有名詞の誤記があった。それをとらえて、あたかも読売新聞の記事に誤 記があったかのような印象を与える記事を、「博士の独り言」という電波ブログが書いたのだ。その卑劣さには、開いた口からエクトプラズマが出ていって幽体 離脱してしまいそうになったほどだ。

このように、戦争の記録をとどめようとする努力に対して、政治的な意図を持った勢力から妨害が行われるが、安倍晋三政権の目指す「戦争のできる『美しい国』づくり」を阻止するためにも、戦争の証言は次の世代へと受け継いでいきたいものだ。

最後に、3月10日のエントリ 『東京大空襲の日』 でも紹介した、東京新聞社会部編「あの戦争を伝えたい」(岩波書店、2006年)に紹介されている戦争体験記から、731部隊元隊員の体験記と従軍慰安婦の体験記を、それぞれ「kojitakenの日記」で紹介したので、下記にリンク先を示しておく。


『一昨年の東京新聞に載った元731部隊隊員の体験談』
http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20070415/1176608270

『一昨年の東京新聞に載った元従軍慰安婦の体験談』
http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20070415/1176609639

[追記]
従軍慰安婦の件に関して、「天木直人のブログ」に「従軍慰安婦問題の解決は、徹底した調査しかない」(2007年4月13日付)という記事が書かれています。天木さんの主張に、全面的に賛成します。
http://www.amakiblog.com/archives/2007/04/13/


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