2014年6月5日木曜日

Copy児童ポルノ規制法に関連するできごとられつ表の表紙

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児童ポルノ規制法に関連するできごとられつ表

 正式名称を「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」といういわゆる児ポ法については、改正案に関連して、様々な言説が流布している。
 それらはしばしば、何らかの誤った理解に基づいている。それらにその都度突っ込むとかそういうのもアレである。そこで、以下に、関係する情報をほぢくりかえしたい方向けを兼ねつつ、関連する事項を時系列で羅列しておく。
 ここでは、児ポ法自体の他、関連法令を含む立法・運用、さらには条例の有害図書関係・淫行関係およびその周辺の事象と、そのあたりに関連して語られる世の中の出来事各種について扱う。
ただし、戦前の出来事は他の記載との関連があるものを除いて無視し、かつ、国外での出来事は、国内の事象を説明するために必要あるいは有益な一部のみを扱っている。


 とりあえず、今目の前に広がっている風景が、幾つもの道が重なって出来上がったものであることをご確認いただければ、幸いである。


 なお、条例については、表中からのリンクの他、別ページに用意した淫行条例の比較あるいは淫行条例の条文も必要に応じて参照されたい。児ポ法自体については、覚え書きをご参照いただきたい。
 事実の抽出にあたり、法律・条令・判決等の公的な記録や新聞記事あるいは団体自身がウェブで公表している資料等、日付について信頼しやすいものは一点の みに拠ることを可とした。それ以外については、可能な限り複数の典拠を参照した。主たる直接の情報源は、前者については国会の会議録議案裁判所が提供する裁判例情報、各都道府県市のウェブサイト、新聞記事・裁判例の有料データベースである。後者については、「漫画表現規制と反対運動のこれまで、これからとKUSACについて」・「日本でのマンガ表現規制略史(1938~2002)」等のページや、乾物屋『児童買春・児童ポルノ禁止法成立前史』を例示できる。本来ならば情報の出典をすべて明記すべきところであるが、あまりにもデータ量が多くなるため、ごく一部を除いて断念したことをお断りしておく。また、有料データベースを多用しているため、ただググるだけでは十分な検証ができないことにつき、特に注意を促しておきたい。
 関連のある事象が多岐にわたるため、この年表がすべてを網羅することは不可能である。しかし、幾つかの論点あるいは資料群に関する再調査と検討を進めているため、多少の補充が予定されている。
 これを印刷する利用者のためには、文字が切れて読めないことのないよう配慮した。しかし、それ以上の配慮は十分でない。とりわけ、背景として扱われる画像が印刷されない場合があることには注意されたい。
 以上および以下は、2013年10月25日に最初に記し、2014年4月24日までに補訂されたものである。



ページ内目次
 1950年代
 1960年代
 1970年代
 1980年代
 1990年代   1995年
 2000年代   2005年
 2010年代


 情報の直接の出典について表中で簡略化した表記を用いたものの詳細は、次の通りである。
略語詳細
《奥平1》奥平康弘「青少年保護条例の沿革」(奥平康浩編『条例研究叢書7 青少年保護条例・公安条例』学陽書房1981年1月)
《奥平2》奥平康弘「条例運用の実態 一 神奈川県」(奥平康弘編『条例研究叢書7 青少年保護条例・公安条例』学陽書房1981年1月)
《創1》藤井誠二「各地で起こった規制運動徹底現地ルポ」(月刊創編集部編『「有害」コミック問題を考える』)1991年8月
《創2》標沼弘敏「自粛と混迷 -出版界がたどった全経過」(月刊創編集部編『「有害」コミック問題を考える』)1991年8月
《創3》著者不明「〈目録〉「有害」コミック規制をめぐる動き 90年2月~91年6月」(月刊創編集部編『「有害」コミック問題を考える』)1991年8月
《わ裁》長岡義幸『わいせつコミック裁判 松文館事件の全貌』道出版2004年1月
《森山》森山真弓・野田聖子編著『よくわかる改正児童買春・児童ポルノ禁止法』ぎょうせい2005年3月



 表中の各列の記載は、次の通りの意味である。
列名説明
年月日  数字のみでyyyymmddの形式で記す。月日の詳細が不明または不要の場合は00とした。
 なお、条例の制定・改正年月日においては、特段の表現なき限り公布日をその日として扱っている。あと、見出し行のクリックでソート可能。
1:関係法令  関連する法令について示す。本項では関連性を緩やかに理解し、強いて言えば程度のものも関連ありとする。ただし、児童ポルノ・児童買春およびそれらの周辺の法令と直接関係しない事項については、法令に関連性ありとしていない。あと、見出し行のクリックでソート可能。
 =児ポ法、=刑法、=青少年条例、=児童ポルノ関連の条例で青少年条例でないもの、=その他。
2:どのへんの話か  「何について」の話かと言い換えてもよい部分を示す。ここでいう法律・条令等には、児童ポルノ・わいせつ・淫行・買春・有害図書関連のみを含み、隔たり のある法律関係のものは含まない。前項と異なり、できごとと法律との関連性を厳密に表現するようにした。あと、見出し行のクリックでソート可能。
 =条約・法律と裁判例・事例、=「法」の項に該当しない国政に関する事項、=条例と裁判例・事例、=民間の規制する側の何者かに関する事項で、いわゆる自主規制を含む。
3:何事の話か  そのお話の筋によって押しとどめようとされる人が「何をする」かを基準に事象の分類を示す。悩ましいものについては、まあいいやとかそういう感じでえい やっと何とかしている。なお、有害図書規制の対象は、ここでの分類上は便宜的に始めからフィクション全般を含むものとして扱う。あと、見出し行のクリック でソート可能。
 =具体的な人に対する行為、=人に対する行為の後に続くかそうでないかを問わず実際の事象を記録する行為とこれに続く行為、=創作とこれに関連する行為、=実際の事象の記録と創作のいずれであっても可能な、映像に関する行為、=人に対するものと映像に関するもののいずれをも含む何らかの行為。
できごと  できごとについて記述している。頻出でない固有名詞についてはなるべく略さず表記している。青少年条例については、淫行規制と有害図書規制の導入時期が 異なる場合があるため、例外なく両者を分けて記述している。また、製造工程を点検したところ多少の問題があったため、名称変更が年表中に適切に反映されて いない可能性がある。いわゆる淫行規制・有害図書規制の対象については、表中では特記なくば条文の表記に関わらず淫行・有害図書とし、軽度のものであって も何らかの言及をもって導入と捉えている。参照先印刷物の「ページ」は"P"とした。判決・決定の参照先において、裁判所ウェブサイトが提供するファイル は、"pdf"とだけ記した。

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