2011年11月5日土曜日

TPPでつぶれる小規模自作農制度は反共政策だった

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http://sightfree.blogspot.jp/2014/06/copy_7863.html農地改革の先駆者


-農地改革の裏事情-

第1次農地改革立法経過
「終戦前後における農地改革法案成立の経緯」についての座談会記録
『農地改革資料集成』第1巻 104P~110Pまでから一部抜粋

座談会
時 1949年11月30日
場所 参議院会館
主催者 財団法人 農政調査会
出席者
和田 博雄 氏
山添 利作 氏
東畑 四郎 氏
上松 憲一 氏
五十棲 藤吾 氏
大和田 啓気 氏
田辺 勝正 氏


(田辺)
 日華事変の勃発した頃、和田君と戸島君と僕とが中心になって、日本の土地制度の在り方の試案というものを作った。
それは農地制度改革要綱といったもので、
その内容は相当大きな委員会制度によって全部の農家を自作農にして、そうしてその自作農が何時までも続いて行くようにというような案であったと思うのですが、
その案のうちには、開発などのことも含まれていたし、
適正規模ということや、
ドイツの世襲農場式の観念も含まれていた。
それを表面に出してはいかんというので、
和田氏を中心として、秘密の会議を開いてやっておったのですが、
和田氏を始めとしてわれわれは、これはどうしても実現させたいという熱意に燃えていた。
(中略)
(東畑)
 記憶は不確かであるけれども、終戦当時までに農地制度としてやった小作料統制令とか、農地価格の統制令という一連の制度は、総動員法に基いてやったのですが、
これをやったのは大体石黒農林大臣の時が多いのです。
大体そうじゃないですか、それは戦争中ですね
そして鈴木内閣になったわけです。鈴木内閣は終戦内閣です。
その時に又、石黒さんが農林大臣であった。
その時にわれわれとしても、大体沖縄が取られて、これはもう負けだ、
これは秘密ですが、農政家としては、そういうことを前提にして、ものを考えて行くということであったのですが、
アメリカが日本に来れば、農地改革というような筋は出て来ない
誠に恥ずかしいが当時はこういう結論だった。
 それで、ザックバランに言うと、
アメリカが占領する前に一つ農地改革をやって
日本の農地制度を変えたらいいだろう。
それが日本のためであるという信念であったわけです。
そこで終戦の前に、4月でしたか、
われわれは大分焦ったわけです。
その時に持ちだしたのが終戦緊急措置法に基づく
「農業生産緊急措置令」
であった。
それが大体第1次農地改革に非常に似ておるもので
--その案の骨子は今の金納制です。
所有権に触れると非常に問題があるから・・・。
これを作りまして、
当時石黒さんが大臣だったから何とかしてくれるだろうという頼みがあった。
僕は強硬にこれをやらなければいかんというので、
当時戦争中であるし、
内務省の圧迫というものがひどかったのですが、
むこうへ乗り込んで行ったわけです。
実はこれは今まで誰にも言わなかったのですが、
警保安局長及びむこうの左翼係の事務官全部に集まってもらってやったのです。
そして、前提として、日本は一体負けるんじゃないかということについての警保安局長の認識いかん?ということから始めた。
全部、そのときに、負けるという話だった。
そうして負けた時に一体こうじゃないかという話までしたのですが、
秘密会議を3回ぐらいやりました。

 その時の考え方は、農地改革はよろしい。
よろしいが、君の意図は何であるか、
こいうことだったのです。
 殊に金納制の意図は何であるか、
意図如何によっては、これはいかんということなのですが、
その線は、
要するに公式論の金納によって日本の共産化を図る、これは左翼に結び付くわけです。
そういう線であるならば、これはいかん。
金納というものを別の形で一つの農地政策として推進して行くなら、よろしいということで、
いろいろな経緯はあったが、そういうふうになった。
これは事務的には次官まで行った。
そうして次官会議で湯河さんが説明して、
内務次官はOKをやったわけです。
(中略)
 次官会議で通ったものが何故閣議で通らなかったかということは僕らには分からない。従って非常にわれわれは憤慨した次第であるが、
今から察すると終戦処理ということで閣僚の頭がいっぱいで、他をかえりみる余裕がなかったのではないかと思います。
そこで、終戦になってマッカーサー元帥が到着した。
そこでわれわれは、一応あきらめたのですが。
--もうこれは駄目だ、
もう農地改革というようなことはとても駄目だという認識であったわけです。
(中略)
終戦後に幣原内閣ができ、千石さんに代って、松村さんが農林大臣になって来られた。
その時に、松村さんが私を呼びまして、
そうして、君一つ自作農をやろうじゃないかと言われた。
(中略)
松村さんの意図ははっきりしていた。
それは反共政策である。
要するに、終戦後に思想的に非常に混乱する。
この際、農村が共産化しては一大事ではないか
どうしてもこれは自作農政策を完全にやって、
全部自作農にして、そうして日本の農村に対する共産勢力の進出を防がなければならん
これは俺の信念である。
こういうことであった。
これはアメリカからの何のサゼスチョンもなしに恐らくそうだったのです。
終戦後の思想的ないろいろの混乱というものを政治家として判断をし、
自分が多年信念として持っておる自作農政策を、
今にしてやらずんば、とんでもないことになると考えたのじゃないか。
(中略)
(東畑)
・・・
松村さんを貫く一貫した考え方は、
政治的な混乱期に、農村に共産勢力が進出して行くことを防がなければならん。
それには所有権を与えるということが必要であるとの信念であった。

(後略)



 (9)農地改革は、共産化を防ぐため(石川県農業会議)  
農地改革は、日本の共産化を防ぐためだった」。
 これが現実には最も分かりやすい説明です。

敗戦から5年過ぎた昭和25年(1950年)、朝鮮戦争が始まっています。
米ソ対立、資本主義(民主主義ともいう)か共産主義かのイデオロギー対立、これが朝鮮半島を舞台に現実として不幸な火花をちらします。
朝鮮半島の北緯38度線は南北朝鮮の国境ではなく、今でも『休戦』ラインにし か過ぎません。
旧ソ連の共産主義が中国から朝鮮半島、そして日本から東南アジアへと、とめどもなく南下してくるのが避けられないという第2次世界大戦後の国際 情勢。
米欧の西側諸国にとっては、これをどこかでくい止める必要がある。
現実と してくい止めることができたのが、朝鮮半島の38度線だったわけです。
 いずれ朝鮮半島でドンパチが始まる、その時、日本は西側諸国の後方支援基地と ならなければならない。

ところが、日本が先に共産化してしまっては、何のために 多大な犠牲をはらって日本に勝ったのか、アメリカにとっては元も子もなくなるわけです。
だから、急いで一大革命である農地改革をすみやかに実行する必要があっ た。
 日本共産党が国政選挙で躍進しているからといっても、共産党が政権をとり日本が共産化する、これが現実になるとは、ほとんどの人が思ってはいないでしょう。 

敗戦直後の日本ではどうだったでしょうか。
共産主義が嫌いな人にとっては非常に危険な瞬間、共産主義が好きな人にとっては千載一遇の大チャンスだったわけです 。
 少数の大地主が広大な農地を所有しています。

農地も、自分が住んでいる宅地も地主から借りている多数の小作人がいます。たいがいは貧乏で、汗を流してコメを手作業で作り、年貢を大地主へ納めています。しかも、敗戦後の経済社会情勢が大混乱に陥っている時、ここへ共産主義思想が入るとどうなるでしょうか。 
 「農地も宅地も、どんな土地も、地主のものではなくて国家のものだ。これから は、汗水ながして働いた人が報われる世の中にしようぜ」。
一挙に共産化してしま っても不思議ではないでしょう。
 「日本を共産主義から守るためだ。分かってくれ」と、国の指導者から頼まれた という大地主さんの述懐を直接聞いたことがあります。これが本質です。したがっ て、「世が世なら、あそこもここもオラの土地」という旧地主さんの多くのボヤキ は、「世が世なら、あそこもここも国の土地」となっていたはずです。 



(TPP加入の次には治安維持法が復活してくる)
TPP加入によって、日本のこの反共政策が終焉をむかえると考えられる。
それによる共産主義勢力の台頭に対抗して、戦前に効果的だった治安維持法を復活させようとするかもしれない。
現に、そうする動きも進行中かもしれない。
治安維持法については、以下をクリックして、その解説ページを参照してください。
「児童ポルノの単純所持罪は治安維持法に類似」

リンク:
TPPの詳しい解説(サルでもわかるTPP)
日本がTPPに加入する意味(田原総一郎+中野教授)

TPP参加に向けての国民無視の暴走を止める(東京大学 鈴木宣)
TPPは江戸末期の日米修好通商条約に似ている
グローバル化、国際通貨基金が貧困を作るとき
TPPは全世界で反対されている、自由貿易ではなく公正貿易が必要
遺伝子組換え作物で、飢餓が増えている 安濃一樹
マレーシア、TPPを拒否  ~医薬品の特許延長~(2012/08/13)
【動画】TPP反対抗議デモ(2012年9月18日 官邸前)



(別ページの重要ニュース速報)

国際機関をも黙らせる圧力
 最後に、アグリビジネスが世界の学界やマスメディアに及ぼす力に触れておこう。
彼らは自分たちへの批判に異常なまでの敵意を見せる。
遺伝子組み換え作物の安全性については、反対論や慎重論を政治的圧力で押さえ込む上に、
豊富な軍資金で言論も左右する。

  二〇〇一年、英国の科学雑誌「ネイチャー」に、遺伝子組み換え作物がメキシコの在来種にいかに悪影響を及ぼしているかを調べた論文が掲載された。

その直 後、研究者向けに、「論文はでたらめ」という数千の中傷メールが送られた。
メールの猛攻撃で「ネイチャー」はパニックに陥り、翌年の号で論文を取り消して しまった。
その後、メールはモンサント社が雇ったPR会社の作成だったことが判明した。
事件を暴いたジャーナリスト、ジョナサン・マシューズ氏は「連中に はひとかけらの倫理もない」と憤った。
 上の写真は、「モンサント社トウモロコシと発がん性に関連、マウス実験、フランス政府が調査依頼」の記事から借用。

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